ジャムとマーマレードの違いは?プレザーブやフルーツスプレッドなど、ジャムの分類について解説!

ジャムとマーマレードの違い

朝食においてパンやヨーグルトに使われることが多いジャム。

ジャムは果物の加工品の定番ですが、スーパーのジャム売り場を見てみるとジャム・マーマレード・プレザーブスタイル・フルーツスプレッド等の様々な種類があります。

様々な表記がされているけど、これって何が違うの??

そんなあなたに向けて、今回はジャムに関する情報を紹介いたします。

ジャムとマーマレードの違いは?

ジャムとマーマレードの違いは?

初めに、定番で知名度のあるジャムとマーマレードの違いについて説明いたします。

ジャムマーマレード
原材料果物・野菜・花弁など柑橘類の果実
見た目トロトロのゼリー状や原形が残るものなど様々ゼリー状の中に柑橘の果皮が残存
果実等
含有率
33%以上
(特級:45%以上)
20%以上
(特級:30%以上)
参考:日本農林規格(JAS)

ジャムは果実・野菜・花弁等を糖質と一緒にゼリー化するまで煮詰めたものの総称です。

一方でマーマレードは柑橘類の果実を原料としているジャムの一種であり、果皮が完成段階まで残っているものをマーマレードとして扱います。

ここからはジャムについて分類ごとに説明します。

スプレッドとジャムの違いは?

スプレッドとジャムの違いは?

ジャム類はスプレッド類という分類に含まれており、ジャム類の中でもマーマレード・ゼリー・ジャムに分類されています。

果物を原材料に扱っていてもジャム類の定義から外れている場合、フルーツスプレッドと表記される傾向があります。

スプレッド類とはバターやマーガリンのようにパンやクラッカー等に塗る食品の総称の事を言います。

ジャム類とは

ジャム類とはスプレッド類の一種であり、日本農林規格(JAS)によって以下のように定められています。

  • 果実等(果実・野菜・花弁)を砂糖類、糖アルコール又は蜂蜜と共にゼリー化するようになるまで加熱したもの
  • 上記に酒類・柑橘類の果汁・ゲル化剤・酸味料・香料などを加えたもの
  • 糖度が40%以上

そして、ジャム類の分類は以下の三種類に分かれています。

ジャム類定義
マーマレード柑橘類の果実を原料としたジャム
&柑橘類の果皮が認められるもの
ゼリー果実等の搾汁を原料としたジャム
ジャムマーマレードとゼリー以外のジャム類

ジャムの分類の中にマーマレードやゼリーがあり、柑橘の果肉と果皮を用いたジャムはマーマレード、果実の搾汁を用いたジャムはゼリーと呼ばれています。

プレザーブスタイルとは?

ジャムの中にも「ジャム(プレザーブスタイル)」と表記されているものがあります。

プレザーブスタイルとはジャムの中に果実等の原形が残っているものを表し、含まれている果実の形は次のように定義されています

  • ベリー類(いちご以外)…果実の全型
  • いちご…全型または2つ割りの果実
  • ベリー類以外…厚さ5mm以上の果肉片

このようにジャムに果肉が残っていることで、果実の食感を味わいながらジャムを楽しめます。

フルーツスプレッドって何?ジャムとの違いは?

果物のジャムに見えるのにフルーツスプレッドと表記されているのはなんで??

ジャム類の定義の中に糖度40%以上という品質基準があり、糖度が40%に満たないものはフルーツスプレッドと呼ばれる傾向があります。

フルーツスプレッドの特徴
  • ジャムよりも自然な甘味や酸味を味わいやすい
  • 糖分を抑えたい方におすすめ
  • ジャムに比べて賞味期限が短い

フルーツスプレッドはジャムと比較すると使用している糖分が少ないので果物の自然な甘味や酸味を感じやすいです。一方で、賞味期限が短く早めに食べる必要があります。

コンフィチュールやコンポートとは?

果物を煮た加工品には他にもコンフィチュールやコンポートがあり、ジャムよりも果物本来に近い味わいを楽しめます。

コンフィチュール

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ジャムとの違い
  • 糖分量が40%以下でも作られる
  • ジャムには定義されていない酢や油なども調味料として使われる

コンフィチュールはフランス語が語源となっており、果物をシロップや香辛料と一緒に煮詰めた保存食のことを言います。

コンフィチュールに正確な定義はないため、トロトロやゴロゴロなど果物の状態が多種多様です。

コンポート

ジャムとの違い
  • 一般的に糖分量がジャムやコンフィチュールより少なめ
  • リキュールなどのアルコールの入ったシロップで煮込む
  • 保存食にはなりにくい

コンポートもフランス発祥であり、砂糖・アルコールを含んだシロップで果物を煮たものを表します。果実の形を崩さず、ゴロゴロとした果肉の食感を楽しめます。

果物をジャムにするメリット

果物をジャムにするメリット

ここでは果物をジャムなどに加工するメリットを紹介いたします。

  • 旬の果物を使えるので材料の入手が簡単
  • 生の果物よりも日持ちがしやすい
  • 味の調整がしやすい
  • 瓶詰してプレゼントにも使いやすい
  • パンやヨーグルトなど他の食材と組み合わせて味わえる

酸味が強いベリー系やシトラスなど、そのままでは食べにくい果物を食べやすくすることができます。また、保存性に優れているので、すぐに傷みやすい果物をより長い期間楽しめます。

ジャムの栄養成分は?

ジャムの栄養成分は?

ジャムに含まれる栄養成分は以下のようなものがあります。

  • 食物繊維
  • フィトケミカル(ポリフェノール等)
  • メラノイジン

食物繊維や機能性成分など様々な栄養素があり、それぞれ紹介いたします。

食物繊維

生理作用
  • 血糖値の上昇を抑制
  • 血中コレステロール値の低下作用
  • 大腸がんの予防

食物繊維は果物の細胞間をつなぐ役割をしている多糖類であり、ペクチンという水溶性食物繊維のゼリー化(ゲル化)作用によって果物がトロトロのジャムになります。

腸内環境を整える作用や、栄養素の吸収をコントロールして血糖値の上昇抑制やコレステロール値を低下させる効果があります。

フィトケミカル

ポリフェノールの例
  • アントシアニン(苺・ブルーベリー等)
  • タンニン(柿・リンゴ等)
カロテノイドの例
  • βクリプトキサンチン(柑橘類)
  • βカロテン(柿・マンゴー等)

植物が環境から身を守るために生成したフィトケミカルは機能性成分として注目されており、ポリフェノールカロテノイドは熱に強いためジャムにおいても生食と同様に摂取できる栄養素です。

これらは果物の色素や苦味等の成分であり、抗酸化作用を持つため生活習慣病の元凶となる活性酸素を取り除く効果があります。

メラノイジン

生理作用
  • 老化や生活習慣病の予防
  • 整腸作用による便秘の予防

ジャムは製造過程で加熱をするためビタミンCや葉酸などの栄養素を失いますが、メラノイジンのように新たに増える栄養成分も存在します。

メラノイジンは加熱によって生成される褐色の栄養成分であり、老化の原因となる活性酸素を撃退する抗酸化作用を持っています。

加熱によりアミノ酸と糖質が結合しメラノイジンが生成される過程をメイラード反応といいます。

果物の栄養素

果物をジャムにして生食とは違う味わいを楽しもう!

今回はジャムの定義や分類について解説しました。糖分や内容物によって少しずつ名称が異なるフルーツジャムやマーマレードは、日持ちがしやすく贈り物にも選ばれる加工品です。

あなたも旬の果物を煮詰めて凝縮された甘さを味わってみませんか?

ずい

この記事が参考になれば嬉しいです。

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ずい
「果物系男子の実りある人生」をご覧いただきありがとうございます。 果物が大好きで果物と共に生きてきた私が、果物で彩りのある生活を送る上で参考になる情報をお伝えします。 【経歴】明治大学農学部農学科卒 / 梅干メーカーの営業を経験 / 野菜ソムリエプロの資格取得 / 高級果物の販売業に5年間従事/野菜ソムリエ協会認定果物ソムリエ取得(2023年)