実りの秋が訪れたのだと示唆するように紫の果実が売り場に並び、そんな光景を見て艶めく粒々の一房を手に取り思う。
そんなあなたに向けて、美味しいぶどうの選び方や楽しく食べる方法について紹介いたします。
おいしいぶどうの選び方
まずはおいしいぶどうの選び方について紹介します。
ぶどうは収穫されてからは鮮度が落ちていく一方なので、なるべく新鮮なぶどうを選びましょう。
ぶどうの表面についている白い粉のことをブルーム(もしくは果紛)と言い、ぶどうが自分自身を乾燥(蒸散)や病原菌などから守るために分泌したワックス成分です。
ブルームがまんべんなく残っている方が収穫されてから販売されるまで鮮度が守られている証拠です。
ぶどうのおいしい食べ方
ここでは基本となるぶどうのおいしい食べ方を紹介します。そのまま食べるだけでなく、ジュースや冷凍することでおいしくいただけます。
そのまま食べる
ぶどうの最大のメリットといえば、包丁要らずで簡単に食べられることです。最近は種無しや果皮が薄くそのまま食べられる品種も多く、さっと水洗いしてそのプリプリの食感とたっぷりの果汁感を味わいましょう。
根元の部分が一番甘い(軸の上側から成熟していく)ので、房の先端の方から食べていけば最後まで甘さを感じながら食べやすいです。
- 丸ごと保存の時は洗わずにキッチンペーパーなどでくるんで保存容器に入れて冷蔵庫へ(2,3日程)
- ハサミで軸を残して一粒ずつ切り離し、保存容器で冷蔵庫に入れればより日持ちしやすいです(1周間程)
ぶどうはとても傷みやすい果物なので、購入されたらなるべくお早めにお召し上がりください
ジュース
- 大量に消費できる
- 手作りであれば添加物や余分な糖分が入らない
水分量が多いためそのままミキサーにかけ、網などで皮や種を取り除いたら甘いジュースの完成です。
種無しぶどうを使用して先に皮を剥いてしまえば、網などを使わないのでプリプリの果肉も存分に味わえるジュースを作れます。
ぶどうの果肉は傷みやすく、変色しやすいのでジュースにしたら早めに召し上がりましょう。
冷凍
- 日持ちする
- 生食と違った味わい
果実を洗ってから冷凍することでシャーベットのように楽しめるぶどうのデザートになります。また、鮮度を保って長期保存できるので生食で食べきれない時の対処法としても有効です。
シャインマスカットなどの果皮のパリッとはじける感覚を楽しむぶどうは、冷凍するとその食感を失ってしまうのでなるべく生食で食べることをお勧めします。
ぶどうの楽しい食べ方
続いてここからは、ブドウをもっと楽しめる一味変わった食べ方を紹介いたします。収穫を楽しんだりブドウを調理することで、ひと手間加わった思い出としてブドウを楽しめます。
ぶどう狩り
収穫を楽しみながら鮮度抜群のぶどうを楽しめるのでおすすめ。
さまざまな品種の食べ比べができる場所もあるので贅沢にぶどうを堪能しましょう。
農家さんによって栽培時期や品種、価格設定や予約状況が異なるので事前に訪問先の情報をチェックして予定を立てましょう。
フルーツカッティング
作る過程や完成したものを観る&写真を撮ることを楽しめます。ブドウの皮の剥き方を工夫することで縞々な模様を作れたり、ギザギザに切れ目を入れて半分に分けると王冠のような見た目の切り口になります。
切る対象が小さいので、包丁の取り扱いには十分注意しましょう。
ぶどう飴
- 外国産のぶどうなどで味が薄いものでも美味しく食べやすい
- 準備するものが少なくて作りやすい
砂糖を煮詰めてから串(爪楊枝)に刺したぶどうに絡めて発泡スチロールなどに挿し込めば、お祭り気分で楽しめるデザートを作ることができます。
煮詰めた砂糖はとても熱いので、冷めるまで触らないように注意しましょう。
ぶどうの産地や品種おすすめ
続いて、ブドウの産地や品種について紹介いたします。
主要産地
都道府県別ぶどう収穫量【出典:農林水産省作物統計調査 令和4年産出荷統計】
ぶどうの主要産地は山梨県・長野県・岡山県の順であり、国産のぶどうの主な流通時期は7~10月頃です。外国産も含めれば4~12月頃まで販売されています。
品種紹介
ぶどうは品種によって粒の色や粒サイズなどさまざまな特徴があります。
- ビオーネ
- シャインマスカット
- キングデラ
今回はギフト用に人気のある種無しぶどうの上記3品種を紹介いたします。
ピオーネ
- 粒が大きく食べ応えがある
- 濃厚な甘さと芳醇な香り
- 種無しで食べやすい
ピオーネは巨峰を親に持つ黒ぶどうの品種です。ジベレリン処理により種無しぶどうとしてブランド化したニューピオーネは肉厚で食べ応えがあり贈答用に人気があります。
皮ごと食べることもできますが果皮は厚めで少し渋みを感じます。
シャインマスカット
- 口の中でパリッとはじける食感
- みずみずしくて肉厚な果肉感
- 爽やかな甘さと香り
- 種無しで食べやすい
シャインマスカットは種無しで果皮も薄いため、そのまま食べやすいおすすめの白ブドウです。食感・味わい・香りなど美味しい要素が一粒に凝縮された果物であり、多くの地域で栽培されています。
キングデラ
- 種無しで皮が実離れしやすいので食べやすい
- 濃厚な甘味とマスカットのような香り
- 房が大きく粒数も多いので、家族など大人数で食べられる
キングデラは小粒品種のデラウェアの系統であり、高級品としてギフト用にも販売されています。小さい粒にもしっかりと甘みがあり、香りと共に楽しめるのでおすすめです。
ぶどうに含まれる栄養素は?
ぶどうは大好きだけど体には良いのかな?
ぶどうに含まれる栄養素は以下のようなものがあります。
- ポリフェノール(アントシアニン等)
- カリウム
- 糖類(ブドウ糖、果糖)
- 有機酸(酒石酸)
機能性成分として知られるポリフェノールや体に必須なミネラルなど、ぶどうには様々な栄養素が含まれておりそれぞれ解説いたします。
ポリフェノール
ポリフェノール | 生理作用 |
---|---|
アントシアニン | 生活習慣病の予防 |
レスベラトロール | 美肌効果 動脈硬化の予防 |
タンニン | 抗菌・抗ウイルス作用 |
ぶどうにはフィトケミカルの一種であるポリフェノールが様々含まれており、その抗酸化作用が注目されています。
果皮には赤・紫の色素のアントシアニンや紫外線から果実を守るレスベラトロール、種には渋み成分のタンニンなどが多く含有されています。
カリウム
- 血圧を下げる
- 筋肉の収縮や神経伝達に関与
- 細胞の浸透圧調整
ぶどうにはミネラルの一種であるカリウムが含まれており、ナトリウムを排出する作用があるため塩分の取りすぎを調節するのに役立ちます。
その他にも、筋肉の収縮や神経伝達にも関係しています。
糖類
- エネルギー源になる
- 疲労回復効果
ぶどうは甘味成分としてブドウ糖や果糖を多く含有しており、体内で吸収されやすいためエネルギー源になります。
有機酸
ぶどうは酸味成分として酒石酸やリンゴ酸などの有機酸を多く含有しています。酒石酸はぶどう特有の有機酸であり、ブドウの生食やワインなどから摂取できます。
有機酸は乳酸を分解することで疲労回復効果があると言われています。
ぶどうの1粒1粒の甘さを堪能してはいかが?
今回は旬のぶどうについて紹介しました。
秋を彩る食卓に宝石のようなつぶつぶの果実はいかがでしょうか?
この記事が参考になれば嬉しいです。
今年もぶどうを思う存分堪能したいな