暖房のぬくもりを感じながらみかんを食べたい。
あの甘酸っぱさにやみつきになる冬を、何度経験したことでしょう。
そんなあなたに向けて今回はみかんのおいしく、そして楽しい食べ方を紹介します。
一般的にみかんとは温州みかんを表しています。柑橘全般をみかんと呼ぶこともありますが、今回の記事は温州みかんについて紹介いたします。
目次
おいしい温州みかんの選び方
まず初めに、おいしい温州みかんの選び方について説明いたします。
ネットに入れて販売されているものであれば形やサイズを確認しやすいです。
しかし箱買いの場合は実物を見られない場合が多いので、なるべく小さい粒サイズの規格で表記されている箱を選ぶようにしましょう。
温州みかんは自身の重みや段ボールとの接触からつぶれが起こりやすく、そこから傷みやすいです。
よって箱買いをした時は傷んでいたりカビが生えているものがないかをすべてチェックし、隣の果実にも悪影響を及ぼす前にすぐに取り除きましょう。
温州みかんのおいしい食べ方
ここでは基本となる温州みかんのおいしい食べ方を紹介します。
- 生食
- ジュース
- 冷凍みかん
そのまま食べるだけでなく、ジュースや冷凍することでおいしくいただけます。
生食(そのまま食べる)
温州みかんは果皮を剥いてそのまま食べるのが一番人気であり、柑橘の香りを楽しみながら甘酸っぱさを堪能できます。
皮を剥く前に揉むことでクエン酸が消費されて酸味が減り、甘味が感じやすくなります
みかんに見られる白い筋は維管束であり、果心部と維管束から果肉に栄養や水分が運ばれています。
食物繊維などの栄養素を含んでいるので気にならないのであれば一緒に食べて問題ございません。しかし食味を害すると感じた場合は取り除いて食べましょう。
ジュース
- 余った時に大量に消費することができる
- 甘さが足りない時に味の調整がしやすい
- 凍らせてアイスにもできる
果汁たっぷりのみかんはミキサーやジューサー、もしくは絞り器などで果肉を絞るだけでも簡単にジュースを作れます。
甘味と酸味を感じながらさっぱりとした味わいの飲み物として楽しめます。
冷凍
- 日持ちしやすい
- シャリシャリの食感や冷たさを感じられて違った楽しみ方ができる
温州みかんの皮を剥いて冷凍することで、そのまま食べられるシャーベットとして味わえます。
生の状態よりも日持ちしやすく食感や味わいの変化を楽しめるので、多くて食べきれない時や味を変えたい時におすすめです。
温州みかんの楽しい食べ方
続いてここからは、温州みかんをもっと楽しめる一風変わった食べ方を紹介いたします。
- みかん狩り
- 剥き方を工夫する
収穫を体験したり、皮の剥き方を工夫することでみかんをより楽しめます。
みかん狩り
みかんを自分の手で収穫するのも楽しみの一つです。
時期によって異なる品種を楽しむことができ、農園によっては温州みかん以外にもデコポンのような別の柑橘を収穫できます。
- 葉が濃い緑で、しおれることなく生い茂っている樹体を選ぶ
- 太陽の光が当たりやすい樹体の外側の果実を選ぶ
農家さんによって栽培時期や品種、価格設定や予約状況が異なるので事前に訪問先の情報をチェックして予定を立てましょう。
剥き方を工夫する
剥き方を様々試してみることで皮を剥くところから温州みかんを楽しめます。
4つ割りにして食べる方法やベルト状にみかんの房を広げる剥き方も農林水産省のホームページで紹介されています。
温州みかんの産地やブランドおすすめ
続いて温州みかんの産地や品種について紹介いたします。
主要産地
都道府県別温州みかん収穫量【出典:農林水産省作物統計調査 令和3年産出荷統計】
分類 | 時期 | 特徴 |
---|---|---|
極早生 | 9~10月頃 | 果皮は薄く表面は緑~黄色、酸味が強いものが多い |
早生 | 10~11月頃 | 果皮や薄皮が薄く、糖度と酸度のバランス良好でコクのある甘さ |
中生 | 11~12月頃 | 薄皮がやや厚くなり、甘味が強くなり酸味は抑えめ |
晩生 | 12~2月頃 | 果皮が厚く日持ちしやすい、濃厚な甘味 |
温州みかんの主要産地は和歌山県・愛媛県・静岡県などであり、露地栽培では9月~2月頃にかけて早生品種から晩生品種に移り変わっていきます。
ハウス栽培(温室栽培)の温州みかんは夏のお中元にも用いられており、佐賀県や愛知県で多く栽培されています。
ブランド紹介
温州みかんには作られる地域によってブランドがあり、有名なものを一部紹介いたします。
- 有田みかん
- 蒲郡ハウスみかん
- 西海みかん
主要産地である和歌山だけでなく、様々な地域でブランド化をして温州みかんの価値や品質の向上を目指しています。
有田みかん
和歌山県中部に位置する有田市及び有田郡で生産されたみかんは有田みかんとして有名なブランドみかんです。
和歌山県が原産の極早生品種であるゆら早生は同じ極早生の中でも糖度が高めであり、爽やかな酸味も相まって味の濃いみかんとして人気です。
蒲郡ハウスみかん
愛知県の蒲郡市では温州みかんをハウス栽培しており、蒲郡みかんは地域ブランド(地域団体商標)として登録されています。
品種は宮川早生であり、糖度が高く程よい酸味を兼ね備えています。また、ハウス栽培によって露地栽培とは異なる時期(4月頃~9月頃)に美味しい温州みかんを味わうことができます。
西海みかん
ブランド | 糖度 | 酸度 |
---|---|---|
出島の華 | 14.0度以上 | 1.0度以下 |
味っ子 | 13.0度以上 | 1.0度以下 |
味まる | 12.0度以上 | 1.0度以下 |
長崎県の西海みかんは3つのブランド(出島の華、味っ子、味まる)があり、指定された生産者によって栽培されています。
中でも出島の華は収穫量が少なく甘味と酸味のバランスが良好でとても濃厚な味わいを楽しめます。
温州みかんが種無しの理由は?
どうしてみかんには種が無いんだろう??
果物において種子の形成は基本ですが、温州みかんの大半は種が無いです。
それには2つの要因があります。
- 雄性不稔性(種子が形成されない)
- 単為結果(種子無しで果実が生成される)
まず雄性不稔性とは花粉そのものが健全ではなく、受粉しても種子ができません。
そして果物は基本的に種子が形成されない場合、可食部である子房や花床などが成長せずに果実ができません。
一方で温州みかんは例外として単為結果という性質を持ち、受粉や外部からの刺激無しで果実を形成することができます。
よって温州みかんは、種子が形成されない花粉の性質と種子無しで果実形成する性質を併せ持つことで種無しの果物が完成します。
温州みかんでも種有りの場合があり、それは産地において温州みかん以外(八朔や文旦など)の不稔性を持たない花粉が混在する環境下で栽培されている可能性があります。
温州みかんに含まれる栄養素は?
みかんはビタミンが含まれているイメージがあるけど、他にも栄養は多いのかな?
温州みかんには下記のような栄養素が含まれています。
- ビタミンC
- βクリプトキサンチン
- カリウム
- クエン酸
ビタミンや機能性成分など様々な栄養素があり、それぞれ紹介いたします。
ビタミンC
- コラーゲンの生成に必須
- 鉄分(ヘム鉄,非ヘム鉄)の吸収率を高める
- ストレスや風邪などに対する抵抗力(免疫)を強める
ビタミンCは別名アスコルビン酸という水溶性ビタミンであり、柿・キウイ・いちご等様々な果物に多く含まれている栄養素です。
抗酸化作用を持ち、老化の元凶となる活性酸素を撃退することで免疫力を高める効果があります。
βクリプトキサンチン(カロテノイド)
- 抗がん作用
- 生活習慣病の予防
温州みかんには橙・黄の色素成分であるカロテノイドのβクリプトキサンチンを含んでおります。
βクリプトキサンチンはフィトケミカルとしての抗酸化作用を持ち、活性酸素を抑えるのに役立ちます。
みかんの食べ過ぎで手が黄色くなるのはβクリプトキサンチンの蓄積が原因であり、カロテノイドの摂取を控えることで自然な色に戻ります。この症状は柑皮症と呼ばれてます。
カリウム
- 血圧を下げる
- 筋肉の収縮や神経伝達に関与
- 細胞の浸透圧調整
温州みかんをはじめ、多くの果物にカリウムというミネラルが含まれております。
カリウムにはナトリウムを排出する作用があり、塩分の取りすぎを調節するのに役立ちます。
クエン酸
- 疲労回復効果
温州みかんにはクエン酸という有機酸が含まれており、酸味の主要成分です。
有機酸は乳酸を分解することで疲労回復効果があると言われています。
【まとめ】温州みかんを美味しく楽しく食べよう!
今回は温州みかんについて紹介しました。
冬のイメージが強いみかんですが、温室栽培のおかげで季節を問わず楽しむことができますね。
この記事が参考になったら嬉しいです!
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