家庭で食されることの多いバナナは外国産のものが主流であり、スーパーの果物売り場においても様々な産地のバナナが販売されています。
今回は、外国産バナナの輸入量や生産地の特徴、そして国産バナナについて紹介いたします。
外国産バナナの国別輸入量ランキング
初めに、バナナの国別輸入量ランキングを発表します。
順位 | 産地 | 年間輸入量 (トン) |
---|---|---|
1位 | フィリピン | 817,541 |
2位 | エクアドル | 95,192 |
3位 | メキシコ | 67,737 |
4位 | グアテマラ | 17,904 |
5位 | ベトナム | 16,220 |
6位 | ペルー | 6,238 |
7位 | ラオス | 5,480 |
8位 | インドネシア | 2,815 |
9位 | 台湾 | 1,600 |
10位 | タイ | 1,345 |
2023年におけるバナナの年間輸入量はおよそ103万トンであり、フィリピンのみで全体の75%以上のバナナを輸入しています。
バナナは湿潤熱帯気候が生育環境に適しており、東アジアや南アメリカで多く生産されています。
バナナ輸入量上位3国の特徴
続いて、輸入量上位3国のバナナ生産地の特徴をそれぞれ解説いたします。
フィリピン(輸入シェア79.1%)
日本ではフィリピン産のバナナがメインで流通しており、フィリピンでは土壌や気候にこだわった高品質なバナナを生産しています。
栽培方法 | 標高 | 栽培期間 |
---|---|---|
高地栽培 | 500m以上 | 1年以上 |
中高地栽培 | 250~500m | 約12ヵ月 |
低地栽培 | 250m以下 | 約10ヵ月 |
低地・中高地・高地でバナナ栽培を行っており、それぞれ特徴があります。低地栽培のバナナは昼夜ともに温暖な環境により栽培期間が短く、低糖度でさっぱりとした味わいです。
一方で、高地栽培では昼夜の寒暖差が大きく、ゆっくりと時間をかけてバナナが成長するため濃厚な甘さの味わいを楽しめます。中高地栽培では低地よりも甘く、高地よりはさっぱりとしたバナナが栽培されます。
主な品種はジャイアント・キャベンディッシュが主流であり、高地栽培(高原)バナナというブランドを付与して販売されています。
エクアドル(輸入シェア9.2%)
昔の日本ではエクアドルからバナナを多く輸入しており、懐かしい味わいのバナナを求める方におすすめなのがエクアドル産のバナナです。
フィリピン産のような高地の寒暖差を利用した栽培とは異なり、南極からエクアドルに流れる寒流が生み出す寒暖差を利用して、もっちりとした甘さを味わえるバナナを生産しています。
メキシコ(輸入シェア6.6%)
メキシコは年間を通して温暖な気候であり、長い日照時間もおいしいバナナが育つ環境に適しています。また、昼夜の寒暖差が10~15℃とバナナに適した気候です。
メキシコ産のバナナは食味と品質が高く、有機JASの認証を受けた有機栽培バナナも生産しています。
国産バナナの生産地は?
バナナは日本国内でも栽培されておりますが、国産バナナの収穫量は167.8トンと外国産バナナの輸入量と比較するとわずか0.01%程しか生産されていません。
順位 | 産地 | 生産量(トン) |
---|---|---|
1位 | 沖縄 | 84.8 |
2位 | 鹿児島 | 63 |
3位 | 宮崎 | 20 |
沖縄県が国内で一番バナナを生産しており、次いで鹿児島県と宮崎県でも収穫されています。それぞれの産地の特徴について解説いたします。
沖縄県
沖縄県で生産されるバナナは島バナナと呼ばれており、キングバナナ・アップルバナナ・銀バナナなど様々な品種のバナナが小笠原諸島などの温暖な島国で栽培されています。
島バナナは外国産のバナナよりも1本1本のサイズが小さく、濃厚でねっとりした甘さを味わえます。
病害虫・台風・盗難などの影響を受けて生産が安定しないため、生産者が増えず希少価値の高い高級フルーツとして扱われています。
鹿児島県
鹿児島県産のバナナも沖縄県の島バナナと同様にサイズが小さく、濃厚な甘さのバナナが生産されています。
水・気候・収穫後の追熟にこだわり、無農薬で皮ごと食べられる神バナナというブランドバナナも流通しています。
宮崎県
宮崎県も1年中温暖な気候であり、日照時間も多いためバナナの生育に適した環境が整っています。
宮崎県においても無農薬栽培のバナナが流通しており、日本国内でも栽培事例が少ない凍結解凍覚醒法を用いたバナナが生産されています。
熱帯植物の種子をー60℃まで冷却して凍結後、時間をかけて解凍しストレスを与えることで成長速度が促進され耐寒性が増加する技術。バナナやパイナップルのような熱帯植物を温帯地域で栽培可能にしています。
様々な産地のバナナの違いを楽しもう!
今回はバナナの輸入量や国産バナナについて紹介しました。日常的に食べられる外国産バナナもおいしいですが、国産のバナナはより濃厚な味わいが楽しめるのでおすすめです。
スーパーでも様々な国のバナナを取り扱っているので、産地の違いを楽しみながらバナナを堪能しましょう。
この記事が参考になれば嬉しいです!
バナナはどこの国から一番輸入されているんだろう?